受賞ギャラリー
2015
グッドデザイン賞
新潟伝統織物 亀田縞
新潟伝統織物 亀田縞
受賞対象の詳細
新潟市南部に位置する旧亀田町の伝統織物「亀田縞」は、農作業着として地元の人だけでなく全国で愛用され、約300年の歴史を数える伝統的な綿織物です。しかし暮らしの変化と、日本の織物産業の衰退とともに、その伝統は途絶えようとしています。このプロジェクトは、「亀田縞」の復活を目指して、2014年にスタートしました。「現代の暮らしに馴染む新しい“縞”」をコンセプトに、武蔵野美術大学との産学共同で新たな「亀田縞」を開発。まずはデザインされた2種類の新しい“縞”を、宿泊型複合施設「里山十帖」のリラックスウェアやベッドカバーに展開しました。
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プロデューサー
株式会社自遊人
ディレクター
株式会社自遊人 クリエイティブ・ディレクター 岩佐十良+武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科クラフトデザインコーステキスタイル専攻准教授 鈴木純子
デザイナー
仲佐史恵、下垣内 岳、坂本美紗希、山本愛子(武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科クラフトデザインコーステキスタイル専攻)

プロジェクトメンバーと織物職人の立川氏とその奥様。
詳細情報
利用開始
2015/09
価格
3,000円 〜 50,000円
販売地域
国内
背景
自遊人の運営する「里山十帖」は新潟県塩沢にあります。昔から織物が盛んで町の伝統織物である越後上布は、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。新潟にはその他にも伝統織物が各地にありますが、多くは時代の変化とともに消滅しつつあります。世界に誇れる伝統織物を「里山十帖」で取り入れ残していきたいと思い企画を発足。現代人に馴染みやすくアイテム展開が可能な「亀田縞」を新たにデザインすることを決めました。
経緯とその成果
伝統織物「亀田縞」の復興をかけた、新しい“縞”のデザイン。
デザイナーの想い
「亀田縞」の伝統的な色合いを活かしながらも、若い世代である自分達が身につけたいと思える、ファッショナブルな展開が可能な、2015年現在の「亀田縞」をデザインしました。
企画・開発の意義
「亀田縞」は現在の新潟市旧亀田町で、元禄9年が起源とされる伝統的な綿織物です。全盛期には600軒もの機屋が軒を連ね、明治初年頃には、年間15万反を生産していました。しかし現在、亀田縞の生産は2社だけが担っており風前の灯火にあります。厳しい農作業に耐えた丈夫な品質と、モダンな縞柄が特徴の亀田縞。その魅力を伝えることができるよう、現在の生活スタイルにマッチする新しい“縞”のデザインに注力しました。
創意工夫
伝統織物の復活には若い発想が不可欠。私達は美術大学の学生とタッグを組みました。「亀田縞」は泥水に強い農作業着として愛された織物です。また藍色を貴重とした縞模様が特徴。ダークトーンのものが主流で若い世代には抵抗があるのは否めません。学生達は、動物をイメージした2種類の縞を提案してくれました。「シマウマ縞」は、シマウマをイメージした強いコントラストが特徴。草原を想起させる黄緑色をアクセントに入れました。「オカピ縞」は、オカピの胴体と脚にかけての特徴的な模様を参考に。胴体をイメージした茶色は太く、脚の縞模様にある白を細かくアクセントに入れオカピらしさを表現しています。また、経糸にはオーガニックコットンを使用し、過去にない風合いを実現しました。「シマウマ縞」はポップな印象を与え若者にも取り入れやすい爽やかな織物に、「オカピ縞」は洗練された大人に似合うモダンな織物を目指しました。
仕様
伝統織物に若い世代にも親しみをもってもらいたいと、動物をモチーフとした2種類の「亀田縞」デザイン。糸の指定、順番を一から設計し開発しました。さらに布の経糸にはオーガニックコットンを使用し風合いも考慮しました。新たに誕生した「亀田縞」は、「里山十帖」で使用する寝具カバーや館内着、バッグ類に展開しました。
どこで購入できるか、
どこで見られるか
里山十帖
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
松田 朋春遠山 正道廣田 尚子安西 葉子柳原 照弘Hrridaysh Deshpande
評価コメント
伝統的な縞を存続させるという試み自体がユニークで評価すべきことだが、さらにそれを現代的な場面で実現させている実行力も評価される。 里山十帖だけでなく、更なる展開の可能性をもっている。
