受賞ギャラリー
2017
グッドデザイン賞
ファインシティ甲子園
集合住宅
受賞対象の詳細
1962年に誕生した浜甲子園団地は建物の老朽化や世代交代に伴い2001年より団地再生事業が始まった。そこに関西圏では初となる開発からエリアマネジメントまで継続して街づくりに関わるパブリック・プライベート・パートナーシップ方式を以て参画し実現したのが「ファインシティ甲子園」である。持続的な街づくりや発展的な街の運営を実現する仕組みと仕掛けづくりを発信する拠点として建物共用部に「HAMACO:LIVING」を設けた。この施設は新たに組成した社団法人が常駐し、地元自治会や教育機関との連携を図りながら新旧コミュニティの交流と運営基盤となる住民の街づくりへの関心を育むイベントの企画運営に取り組んでいる。
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プロデューサー
京阪電鉄不動産株式会社
ディレクター
株式会社長谷工コーポレーション エンジニアリング事業部 大石 高久+HITOTOWA INC. 荒 昌史、葛西 優香
デザイナー
株式会社長谷工コーポレーション エンジニアリング事業部 第3設計室 中川 慎介/デザイン室 湯口 享
詳細情報
利用開始
2017/03/24
価格
2,840万円 〜 4,990万円
設置場所
兵庫県西宮市枝川27-24
背景
核家族化が進む社会の中で、全盛期には4600世帯以上の家族が生活を営み、活気にあふれていた街も、55年もの歴史と共に建物の老朽化・住民の高齢化が進み、かつての活気は減退しつつあった。そこで既存団地の更新と世代交代による地域社会の新陳代謝を促す為に、団地再生事業に取組むこととなった。単に建物を新しく建替え、整備するだけではなく、時と共に築かれた文化や思い出を継承していくことが真の再生事業であると考えた。まずは地元自治会・地元住民との複数回にわたるワークショップを通して、この街が抱えている課題(「子育て」「健康」「防災・減災」)についての議論を重ねた。その結果、課題解決の為には、かつて当たり前のように存在した、【人と人の繋がり】が街の活性化には不可欠であることに気づき、今回の再生事業の核として【エリアマネジメント】を採用し、コミュニティ活性化を目的としたハード・ソフト両面での整備を進めている。
経緯とその成果
HAMACO:LIVING ~新旧住民が「こころ」をつなぎ、共に創るまちづくり~
デザイナーの想い
団地全体を東西に貫通する全長約640mのブールバールを中心とした歩行者軸と、南北に繋がる大学や商業施設、運動公園まで伸びるコミュニティ軸の交点に「HAMACO:LIVING」を配し、街全体のコミュニティの拠点として位置付けた。建物は南北に分棟し平行配置する事により、中央のオープンスペースを生み出しシンボリックなガーデンスクエアとともにマンションの顔となるよう計画。このスペースは敷地内を自由に往来できる「彩りのみち」としてデザインし、先行して街びらきしたなぎさ街と連続した緑地空間を形成している。更に敷地西側のグリーンプロムナードはマンションの顔としてだけでなく、キッチンスタジオなどの諸施設を配置し街のコミュニティ軸となるよう計画した。地域環境に対しても先導的な役割を担うべくCASBEE-Sランクを取得。屋上緑化や雨水再利用、太陽光パネルの設置や省エネルギー対応など様々な施策を積極的に行った。
仕様
敷地面積:6,003.67㎡ 建築面積:2,654.53㎡ 延床面積:12,816.37㎡ 構造・規模:鉄筋コンクリート造、地上7階建、住戸数145戸
どこで購入できるか、
どこで見られるか
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審査委員の評価
担当の審査委員
篠原 聡子仲 俊治西田 司
評価コメント
全体計画において、建物を二棟にわけ、その間をパブリックな空間として街にひらき、また、通りに面して共用空間を配しており、大規模集合住宅にありがちなゲーテッドな印象が全くなく、街の景色を作りだしている。また、通り沿いに街づくりの拠点となる場所が組み込まれている点もこの計画の特徴といえ、ソフトとハードが連携した成果をここにみることができる。大規模な集合住宅が、街づくりにどのように貢献できるのかを示した好事例といえるだろう。
