グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
さらに、複雑化する社会において、課題の解決や新たなテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっています。グッドデザイン賞は、審査と多様なプロモーションを通じて、デザインに可能性を見出す人びとを支援し、デザインにできること・デザインが生かされる領域を広げ、私たちひとりひとりが豊かに、創造的に生きられる社会をめざしています。
また、デザインの優劣を競う制度ではなく、審査を通じて新たな「発見」をし、Gマークとともに社会と「共有」することで、次なる「創造」へ繋げていく仕組みです。
グッドデザイン賞の理念
グッドデザイン賞では、常に我々が向き合うべき根源的なテーマとして、以下の5つの言葉を「グッドデザイン賞の理念」として掲げています。
Gマークについて
創り手と生活者のコミュニケーションシンボル
グッドデザイン賞は1957年の設立以来、約60年にわたり「よいデザイン」を顕彰し続けています。この運動と社会との接点として機能しているのが「Gマーク」です。Gマークはグッドデザイン賞を受賞したことを示すシンボルマークであり、社会とデザインを結ぶコミュニケーションのマークです。日本デザイン振興会が管理する知的財産権であるGマークは、グッドデザイン賞を受賞した対象のみに使用することができます。
※Gマーク(商標)の使用には、お申し込みが必要です
生活者の信頼を得るGマーク
2020年2月に実施した調査によればグッドデザイン賞という名前を知っている人は83.6%になり、多くの方がグッドデザイン賞の存在を認知しています。また、「Gマーク」の認知率は81.0%にのぼります。さらにこの調査から「Gマークの示すイメージ」をみると、下記の順位となります。つまり生活者は「Gマーク」が付いた商品を、「魅力的で、人にやさしく高品質なもの」とイメージしています。
魅力的なかたち(外観)をしている
機能・性能が優れている
品質が良い
使いやすい
企業イメージ向上に貢献するGマーク
2017年1月に実施した調査によればグッドデザイン賞を受賞した企業のイメージについて61.5%の人が「センスが良い企業」と答え、55.9%の人が「ものづくりが上手な企業」、33%の人が「時代をリードする先進的な企業」と答えています。Gマークを使うことによって商品のみならず企業イメージの向上にも貢献します。
「Gマーク」のデザイン
「Gマーク」は、グッドデザイン賞の前身である「グッドデザイン商品選定制度」が発足した1957年に、日本のデザインの歴史に大きな足跡を遺した亀倉雄策氏によってデザインされました。以来この制度が「Gマーク制度」と呼ばれてきたように、このマークは、産業と生活を結ぶ信頼の証として親しまれています。
亀倉雄策氏
1915年4月6日新潟県に生まれる。新建築工芸学院にて学んだ後、日本工房入社。『NIPPON』や『カウパープ』など対外宣伝誌のアートディレクションを手がける。1953年「亀倉雄策グラフィックデザイン展」(神奈川県立近代美術館)開催。1955年「グラフィック’55展」(日本橋高島屋)に参加。1960年日本デザインセンター設立に参画の後、1962年亀倉デザイン研究室を設立。1961年に文部省芸術選奨大臣賞受賞以後、毎日芸術賞、朝日賞、日本文化デザイン会議国際文化デザイン大賞等を受賞。また、紫綬褒章、勲三等瑞宝章、文化功労者(文化庁)、デザイン功労者(通産省)を受ける。海外でも、ワルシャワ、ブルノ、ラハチ等の国際ビエンナーレにおいて芸術特別賞をはじめ数々の賞を受賞。1997年5月11日逝去、享年82歳。