受賞ギャラリー
2016
グッドデザイン賞
展示場・事務所
LIXILショールーム名古屋
受賞対象の詳細
名古屋駅の南に位置する、建材・設備機器などを総合的に提供する企業のショールームである。内外にわたり、企業の特徴の一つであるセラミックプロダクツを基調としたデザインとした。新幹線・鉄道沿線の立地の特性に合わせ、35,534個のオリジナルのキューブタイルを一枚のベールのように建物に纏わせ、新幹線・鉄道の動きに合わせて表情を変えるポーラスで特徴的な顔とした。キューブタイル一つ一つを手作業でランダムに配し、タイルならではの温かみと「手仕事感」を表現した。沿線側に光庭と吹抜を組み合わせて設けることで内部のアクティビティが街へと表出し、また商材を実際の環境に近い自然光の下で展示することを可能としている。
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ディレクター
竹中工務店 設計部 中屋隆史、安藤寿孝
デザイナー
設計監理:竹中工務店 中屋隆史、安藤寿孝+ショールーム設計/インテリア監修/プラン監修:void 丹羽浩之、隅田裕子、種昂 哲
竣工
2015/11/30
販売地域
国内
設置場所
愛知県名古屋市中村区名駅南4丁目1116番2
背景
【展示の在り方】本来外部用の建材・商材は自然光の下に展示するべきであると考え、光庭と吹抜を立体的に組み合わせ、内部まで自然光で満たされる構成とした。 【コンテクスト】新幹線・鉄道沿線の計画地に対し、乗車時のアイレベルに合わせて建物高さを低く抑えた。また35,534個のタイルからなるベールを纏わせ建物全体が一つの企業のサインとなることを考えた。
経緯とその成果
タイルならではの表現の追求。新幹線沿線のコンテクストを活かした遠景と手仕事感を感じられる近景の両立
デザイナーの想い
タイルは工業製品でありながら手仕事の面影が残る特異な素材である。思わず手を伸ばして触れてみたくなるような素材感と手仕事感を追求した。各側面に異なる表情を持つ35,534個のキューブタイルを、配置は乱数により決定し回転方法は一つ一つ芯材に挿す職人の手に委ねることで全体として自然なゆらぎを作り出した。白一色でありながら光による陰影が加わることで多様な表情をみせる。
企画・開発の意義
新幹線乗車時の目線高さに応じて建物高さを設定するとともに、企業の特徴の一つであるセラミックプロダクツの技術を用いたオリジナルのタイルのベールを纏わせることで建物全体を一つの「サイン」とした。ベール越しの木漏れ日のような光と、大きく切削するように設けた光庭からの直接的な光と「光の質」に応じた商品展示レイアウトとしている。
創意工夫
タイルならではの風合、手仕事感を表現した。釉薬3種×量3種の合計9色、形状として、面形状4種×高さ3種で合計12形状。9色×12形状で108通りの意匠面とし、更に光による陰影が加わることで多様な表情を見せる。 また合計35,534個の配置については乱数を用いて決定し、面方向の回転については一つ一つを手で芯材に差しこんでいく職人の感覚に委ねることで自然なゆらぎを表現した。面形状については、モックアップを設置し検討を重ね、計画地の光に映える形状を決定した。 タイルについては耐凍害性を、タイル間のスペーサーゴムについては圧縮永久ひずみを検証し安全性を確認した。道路に面した限られたスペースでの施工にあたり、工場にてW1.5m×H2.5mにユニット化するとともに、通常地下躯体に用いる資材を水平運搬するシステムを用いて安全かつ効率的に実現した。
仕様
構造規模 S造地上4階 建築面積:1922.88㎡ 延床面積:6561.10㎡
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審査委員の評価
担当の審査委員
山梨 知彦千葉 学中村 拓志星野 裕司Lee Siang Tai
評価コメント
柔軟で柔らかい陶器のファサードは、従来のセラミックのイメージを刷新しており、この企業の進取の気性と技術力を象徴している。とても雄弁なファサードである。
