GOOD DESIGN AWARD
受賞ギャラリー
2016
グッドデザイン賞
間伐材の有効利用の取組み
工房信州の家 薪ストックヤード

分類タグ

取り組み

事業主体名

株式会社フォレストコーポレーション・工房信州の家

受賞番号

16G151187

受賞対象の詳細

長野県内で注文住宅の施工実績800棟を誇る、工房信州の家。そのうち、7割以上のお宅の暖房が薪ストーブで賄われている。薪ストーブに憧れはあるけれど薪の調達が心配‥というお客様が多い中で、安心の薪ストーブライフを支えているのが「薪ストックヤード」での薪販売だ。里山の麓の日当たり・風通しに優れた広い敷地内に原木保管・薪割り場・薪棚のスペースを設け、当社住宅のオーナーを対象として伊那谷の間伐材を格安で提供し、森林資源の有効活用の体制を整えた。また、希望に応じて薪割機のレンタルも安価で提供しており、週末にはご家族皆さんで薪割に汗を流す特別な時間を過ごし、家族のコミュニケーションの場としても機能している。

※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります

プロデューサー

株式会社フォレストコーポレーション 代表取締役社長 小澤仁

詳細情報

利用開始

2007/04

価格

5,500円/軽トラ1台分(50束相当) 〜 18,000円/軽トラ1台分(50束相当) (■薪割機レンタル1,000円/一日 ■軽トラレンタル500円/一日)

販売地域

国内

設置場所

長野県伊那市ますみヶ丘

背景

県土の約8割を森林が占める長野県。そのうち半数近くが戦後植林された人工林である。人工林は人が手をかけることを前提とした「木の畑」であり、継続して整備しなければ森の健康は保たれない。良質な木材を育てるためには間伐が欠かせないが、倒した小径木は引取り手がおらず、そのままその場に捨てて腐らせる「切り捨て間伐」が常である。直接の利益を生まない間伐作業には山主も消極的で、健全な森林整備の妨げになっていた。

経緯とその成果

信州の森を健康に、家族の時間を濃密に。里山の木の価値を再発見する、薪ストックヤード。

デザイナーの想い

私たちはもはや化石燃料ばかりに依存した生活を続けることはできない。地球環境との共存、特に身近な資源を積極的に活用する豊かな暮らしを求めてできることからはじめようとするとき、その入り口に薪ストーブがあるといっても過言ではない。バイオマスエネルギーを活かす暮らしは、身近に豊かな森があるからこそ成り立つ信州ならではの特権でもある。薪を使うことで里山が元気になっていく、そんな未来像を共有できたらと思う。

企画・開発の意義

薪ストーブは少なからぬ手間と労力を要する暖房器具である。だからこそ暖をとるまでの過程に人と人とのつながりや共同作業が生まれる。コストを安く、特別な準備も必要なく、気軽に薪づくりができる場を提供することで、家族皆で楽しみながら冬支度をする暮らしへとつながる。そして間伐材が価値ある資源として有効利用されることはもちろん、訪れる人がそのサイクルを知ることで里山の豊かさや現状を再認識するきっかけにもなる。

創意工夫

山に放置された間伐材の運搬・加工にあたって、NPO法人「森の座」と連携体制を組んだ。森の座は上伊那近郊で森林整備や間伐材の利用促進(薪づくり、炭焼き、現地製材等)に取組む団体である。伊那谷を囲む里山のあちこちで間引かれた間伐材を薪ストックヤードに無駄なく集積し、燃料源として加工するサイクルができた。さらに、廉価な玉切り材とレンタル用薪割機を用意し、ただの薪運びではなく家族がレジャー気分で薪づくりに取り組めるメニューも提供。また樹種は針葉樹・広葉樹・ナラの3種類に分けて販売しているが、人工林の間伐材はマツ・スギ・ヒノキなどの針葉樹が圧倒的に多い。日本では「薪といえば広葉樹。針葉樹は適さない」との考えが根強いが、近年の高性能なストーブならば針葉樹の薪も負担なく燃焼でき、燃えやすい材のため焚き付けや調理用に適している等の特性もユーザーに直接伝えていくことで、身近な資源を上手に活用する土壌も育つ。

仕様

■事業主体/NPO法人「森の座」、当社 ■沿革/2007年 薪ストックヤード設立、2010年 供給量増に伴いストックヤード拡充・林野庁の助成を受けて薪棚増設・レンタル用薪割機導入 ■薪ストックヤード概要/敷地面積 約1,400㎡、薪棚容量 約200列(10,000束相当)、油圧式薪割機2台

どこで購入できるか、
どこで見られるか

長野県伊那市ますみヶ丘7352-1 (株)フォレストコーポレーション伊那営業所
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

審査委員の評価

担当の審査委員

五十嵐 太郎岩佐 十良藤崎 圭一郎並河 進山崎 亮

評価コメント

応募企業が手がける注文住宅の多くに設置されている薪ストーブを、オーナーが安心して薪を購入し継続的に使えるように開発された施設だが、単にオーナーへのサービスにとどまらず、地元の森林整備を行うNPO法人と連携し間伐材の活用という社会的課題に取り組んでいることや、薪を買いに来る家族がこの施設内で薪割りをすることで家族のコミュニケーションを促進している点も高評価の材料となった。今後は注文住宅のオーナーのみならず、より地域に開かれたコミュニケーションの場になることを期待したい。
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