受賞ギャラリー
2017
グッドデザイン・ベスト100
タブレット・スマートフォン向けアプリ
しゃべり描きUI(ユーザーインターフェース)
受賞対象の詳細
「しゃべり描きUI」は、世界で初めて※、話しながら画面をなぞると、話した言葉が指先から沸き出るように文字表示されるユーザーインターフェースです。この「しゃべり描きUI」と、お絵描きや多言語翻訳など様々な機能を組み合わせたコミュニケーションアプリは、手話や外国語ができなくても、聴覚障がい者や外国の方々との円滑で多様なコミュニケーションを支援します。 (※2016.2.9現在。当社調べ)
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
プロデューサー
三菱電機株式会社 デザイン研究所 堀 武幸
ディレクター
三菱電機株式会社 デザイン研究所 浅岡 洋
デザイナー
三菱電機株式会社 デザイン研究所 平井 正人、松原 勉、鶴 直樹、山口 貴弘、引間 孝典、山内 貴司、梅木 嘉道、今石 晶子

様々な専門領域のデザイナーが有志で集まり、しゃべり描きUIを開発しました
詳細情報
広報発表
2016/02/08
価格
オープンプライス
販売地域
国内・海外共通仕様
背景
2016年4月から障害者差別解消法が施行され、行政機関は法的義務、民間事業者は努力義務として合理的な配慮を行うことが求められています。また、政府は2020年の訪日外国人を4,000万人と目標設定するなど、障がいや言語の壁を乗り越えることが社会的にも求められています。しかし、「耳が聞こえない」「言語が異なる」などの理由により、コミュニケーションが取りづらいことがあります。聴覚障がいや言語の壁を乗り越える方法はいくつかありますが、それぞれ課題を抱えています。例えば、聴覚障がいの壁を乗り越える方法として手話や指文字がありますが、特別なスキルが必要で健聴者には普及していません。また、筆談は誰でも行えますが、文字を書く負担が大きく時間もかかります。言語の壁を乗り越える方法として、翻訳アプリがあります。しかし、翻訳結果をワープロのように表示するだけなので、文字に頼った表現しかできません。
経緯とその成果
「指先でしゃべる」UIが、障がいや国境の壁を越えて、あたたかいコミュニケーションを実現します。
デザイナーの想い
次の二つに着目し、ユーザーインターフェースを開発しました。 (1)聴覚障がいの方は、資料を指さしながら説明されても、話している人の唇の動きと指さしているところを同時に見られないため、話しを理解するのがむずかしい。 (2)筆談は文字とお絵かきを組み合わせて書けるため、文字だけに頼らない豊かな表現ができて分かりやすい。 これら二つの気づきから、「話した言葉を指先に表示」し、「文字とお絵かきを自由に組み合わせて表現」できるコミュニケーションアプリを開発しました。これにより、聴覚障がいの方に、気軽に分かりやすく思いが伝えられます。更に、「多言語翻訳」を加えることにより、様々な国の方々と楽しく深いコミュニケーションができるようになりました。 工夫した点は、直感的な操作と気持ちの良い操作感、そして指先から文字が沸き出てくるわくわく感です。これらにより楽しいコミュニケーションが可能となりました。
仕様
iOS10.0以降、Android 5.0以降
どこで購入できるか、
どこで見られるか
三菱電機イベントスクエア METoA Ginza(東京・銀座:「東急プラザ銀座」内)
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
岡本 誠石戸 奈々子ドミニク・チェン深津 貴之藤崎 圭一郎
評価コメント
話しながら画面をなぞると、指先から文字が出てくるように表示される。翻訳も可能なので、外国旅行で地図をタブレットに表示して目的地を尋ねるといった使い方もできる。聴覚障がい者は話している相手の唇の動きを見ているため同時に図表などを見られないという問題も、タブレットに表示されたイラストや写真とともに話した言葉が表示されることで解決できる。ひとつの画面を話者が指でなぞることで、聴覚や視覚だけでない身振りのコミュニケーションが加わり、新しい親密なコミュニケーションを生む可能性があることを高く評価した。しかも指でなぞる行為によって発話と表示のタイムラグを感じさせない設計となっており、ストレスなく使用できる点も評価した。
このページの画像、テキストの無断転載を禁じます。©JDP All rights reserved.