受賞ギャラリー
2018
グッドデザイン賞
旅客車
標準型近郊車両 AT200/ Class 385
受賞対象の詳細
AT200は、通勤などで利用される標準型近郊車両です。「Class385」という名称で納入され、スコットランドにおいて試験運転が開始されています。日立は、車両の設計開発、製造と、10年にわたる保守を行います。 AT200のデザインでは、短納期、低価格が要求される標準型の車両において、顧客要求に柔軟に応えられる仕組みを持った「テーラーメイド」が可能なデザインを目指しました。シート、荷棚や照明など、乗客の空間体験に影響を与える主要なコンポーネントを中心に、顧客の選択肢を予め用意することで、標準車でありながら、顧客の要求に応えられるデザインを実現します。
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プロデューサー
株式会社日立製作所 鉄道ビジネスユニット CEO アリステア・ドーマー
ディレクター
株式会社日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ プロダクトデザイン部 池田稔
デザイナー
株式会社日立製作所 東京社会イノベーション協創センタ プロダクトデザイン部 高田裕一郎+DCA Design International
詳細情報
利用開始
2018/07
価格
オープンプライス
販売地域
海外向け
設置場所
英国
背景
鉄道発祥の国イギリスでは、古くから使われてきた鉄道インフラの老朽化が大きな社会問題となっています。電化など鉄道インフラの整備とともに、老朽化した車両のまとまった入れ替えも急務となっています。また、ガソリン車、ディーゼル車の販売が2040年から禁止されることとなり、電気自動車への移行だけでなく、エネルギー効率の優れた鉄道に益々期待が高まっています。そのため、長距離高速鉄道のみにならず、中短距離鉄道にもエネルギー効率が高さが求められます。 一般に、日本では顧客要求に従うカスタムメイドが中心ですが、欧州では、価格を抑えたレディーメイドの標準車が中心です。日立は、低価格で短納期の標準型でありながら、乗客や乗務員に受け入れられ、顧客の要求に応えるため、あらかじめ顧客の選択肢を仕込んだ「テーラーメード」の標準型の鉄道車両、ATシリーズを提供しています。
経緯とその成果
顧客の要望に応える幅を持った英国向け標準型近郊車両のデザイン
デザイナーの想い
低価格、短納期の標準車でありながら、多様な顧客の要求に応えることのできる、柔軟性をもった標準車を目指しました。基本的な構造は、すでに英国にて運行が開始されているAT300をベースとしています。鉄道を利用する乗客の視点からデザインを検討しました。インテリアの印象を決定付ける部位を中心に選択肢を提供できる仕組みを考えました。シートや、テーブル、荷棚や天井照明など、乗車中目に付きやすい部分だけでなく、大型荷物置き場や出入台の仕切りなども、顧客の要求に応えられるように、選択肢を予め準備した仕組みをデザインしました。 一方で、欧州では、車両メーカーとしてのアイデンティティをしっかり持つことも重要です。ATシリーズのエクステリアには、「4つのカーブとひとつの直線」という造形のコンセプトを一貫して適用し、シンプルで力強い日立の個性を作り上げたいと考えました。
仕様
3両編成電車46編成(385/0)と4両編成電車24編成(385/1)の計234両(70編成) 385/0 = 206 seats 385/1 = 273 seats (20 first class, 253 standard) 最高運転速度:160 km/h (100 mph)
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審査委員の評価
担当の審査委員
菅原 義治佐藤 弘喜野原 卓森口 将之Hrridaysh Deshpande
評価コメント
高速車両では以前から英国での納入実績がある製造会社による、初めての近郊型車両である。分割併合のための貫通扉を先頭部に用意し、乗車定員確保のために運転席寸法が限られるという制約の中で、大胆な曲面を取り入れた前面形状は個性的であり、灯火類も面の流れに溶け込んでいる。日本とは異なる条件が存在する状況で、造形へのこだわりを貫いた思想に共感する。
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