受賞ギャラリー
2019
グッドデザイン賞
都会完結型生ごみリサイクルシステム
みどりくんプロジェクト
受賞対象の詳細
東京農大が開発した生ごみ肥料化技術とキヤノン電子の脱臭・自動袋詰め機能付の業務用生ごみ処理機を、貴重な農地が残る東京都世田谷区内で合体。都会から出る生ごみを都会で「みどりくん」に変え、都会の畑で野菜を生産。それを農家直売や学校給食食材とすることで環境・食育教育を進め、食と農を繋ぐ都会完結型生ごみリサイクルを構築する。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 東京農業大学とキヤノン電子による、都会でもできる迅速で悪臭が出ない生ごみ肥料化技術の開発
- 大学・企業・小中学校・JA・地域住民など地域が一帯となった都会完結型生ごみリサイクル活動の実践
- 小中学校での環境・食育教育の推進・都市農地の存続
プロデューサー
東京農業大学 名誉教授 後藤逸男+キヤノン電子株式会社 専務執行役員 環境機器事業部長 若井良之
ディレクター
東京農業大学 名誉教授 後藤逸男+キヤノン電子株式会社 専務執行役員 環境機器事業部長 若井良之
デザイナー
東京農業大学+じゅんかんチャレンジ桜丘推進協議会+キャノン電子株式会社 合同プロジェクトチーム
詳細情報
東京農大は2007年活動開始。キヤノン電子は2014年生ごみ処理機発売。2019年本格共同活動開始。
2019/02
価格
オープンプライス
販売地域
国内
背景
物質循環型社会構築の事例として「生ごみリサイクル」がある。都会で出た生ごみを農村部に搬出して堆肥化し、それを使って生産した農産物を都会で消費するパターンがほとんどである。一方、例えば東京都内には約7,000haの農地があるが、相続などの影響で減少の一途を辿っている。そのため、都会の小中学生らが「農」に触れる機会も減っている。キヤノン電子・環境機器事業部では従来から生ごみ処理機を市販し、多くの事業所や集合住宅などに配備されているが、その乾燥処理物の再利用方法が大きな課題であった。生ごみ乾燥物をそのまま土壌施用すればゆっくりと有機物分解が進み、肥料としての効果が発揮される。しかし、生ごみ乾燥物は肥料取締法で定められたどの規格にも適合しないため、肥料として流通させることはできない。そこで、東京農業大学で開発した生ごみ肥料製造技術とのドッキングを図ることになった。
経緯とその成果
東京農業大学の生ごみ肥料化システムでは、乾燥した生ごみから油を絞り、その油かすを成型化して有機質肥料「みどりくん」を製造する。所要時間はわずか数時間で、悪臭が出ないため都会でもできる。ただし、肥料として流通させるには肥料取締法に定められた肥料公定規格のいずれかに該当する必要がある。しかし、「みどりくん」は新規に開発した肥料であったため該当規格がなかった。そこで、2010年農林水産大臣に新規公定規格の新設を申請した結果、2018年10月に新規公定規格「食品残さ加工肥料」が設定された。もう一つの課題が都会での生ごみの収集・運搬であったが、キヤノン電子の生ごみ処理機で乾燥した生ごみを原料とすることで収集・運搬が容易となる。なお、生ごみ乾燥物にも肥料としての効果はあるが、「みどりくん」には劣る。また、「食品残さ加工肥料」の公定規格には該当しないため、肥料として流通させることはできない。
仕様
東京農大は生ごみからわずか数時間で有機質肥料「みどりくん」を作る技術を実用化。キヤノン電子はバイオと温風乾燥を組合せた脱臭・自動袋詰め機能付の低コスト業務用生ごみ処理機を市販。この両技術を約90haの畑が残る東京都世田谷区内で合体させる。生ごみを「みどりくん」に変え、畑で野菜を生産して食材にする。これらをすべて都会の中で行い、環境・食育教育を進め、食と農を繋ぐ都会完結型生ごみリサイクルを構築する。
どこで購入できるか、
どこで見られるか
東京農業大学世田谷キャンパスリサイクル研究センター生ごみ肥料化プラント
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
石川 俊祐太刀川 英輔廣田 尚子Miles Pennington
評価コメント
都市と分断されてしまいがちな農業をより身近にする新しい製品開発。都会において完結する循環型ビジネスの創出を高く評価する。より魅力的に多くの人々に伝わるようコミュニケーションデザインの力を活かしていってほしい。
