受賞ギャラリー
2019
グッドデザイン賞
医、食、住と学びの多世代交流複合施設
アンダンチ
受賞対象の詳細
「アンダンチ」は障害者や健常者、子供や高齢者など、様々な人が一緒につながりながら暮らす複合福祉施設である。敷地内の大きな庭を囲むようにサ高住、看護小規模多機能型居宅介護事業所、就労継続支援B型事業所、保育園、飲食店、駄菓子屋を配置し、障害者・健常者を超えて住民が積極的に交流し易い施設・運営づくりを行っている。
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デザインのポイント
- 敷地中央の大きな庭を囲むように建物を配置することで、誰もが分け隔てなく交わることができる環境づくり
- サ高住内の駄菓子屋や庭に設置したヤギ小屋、ピザ窯など多様な関わり方が生まれる環境づくり
- 地元の素材を用いて、質感の豊かさや楽しさを散りばめた建築、ランドスケープ、インテリア、サインデザイン
プロデューサー
株式会社未来企画 福井大輔
ディレクター
コンサルティング:株式会社結わえる 荻野芳隆+アートディレクション:ベクトカルチャー株式会社 伊藤太一
デザイナー
株式会社トランジット 工藤雅俊+株式会社アトリエアムニー 飯沼伸久+AE5 Partners 皆川拓、鈴木将記+ベクトカルチャー株式会社 伊藤太一、目瀬幸太、沖田萌未+後閑宗一郎
利用開始
2018/06
価格
178,200円 〜 340,400円 (サービス付き高齢者住宅の月額(賃料、共益費、生活支援サービス、食費基本料 込み)※別途 介護保険自己負担額、医療費、消耗品、食費(召し上がった回数分)が加算されます。)
設置場所
〒984-0017 宮城県仙台市若林区なないろの里1-19-2
背景
介護・福祉施設での高齢者の暮らしは、閉ざされたイメージが強く、外部との関わりが限られてしまうことが一般的である。サービス提供者の機能効率の観点から施設の中だけで完結する福祉施設は多い。また、アンダンチのある荒井エリアは震災で被災した方々の集団移転の地域であり、以前からこの地域に住んでいた方、ニュータウンに移り住んだ若い世代など多様な人々が暮らす地域である。 そうした中で障害者も健常者も、子供も高齢者も、街の住人もこの地への訪問者も分け隔てなく、自然と交わることができるように、敷地をひとつの「街」として地域に開放し、日常的な多世代間の交流により、社会の中で人々と関わり合いながら生活できる環境づくりに挑戦したのがアンダンチである。色々な人とつながり、それぞれに自分の役割が生まれていく。そんな豊かさがある暮らしの場が今必要なのではないか。
経緯とその成果
医療、飲食、住居、保育、就労支援という機能を、どのように一つの敷地内に配置し、地域へのオープン性を作り出していくかが大きな課題であった。保育園をあえて飲食店上の二階に配置することで、保育園のセキュリティを向上させると共に、敷地中央に大きな庭を確保することができ、地域に開かれた「街」の印象を作り出している。サ高住内の駄菓子屋では高齢者やスタッフと子供たちとの交流が生まれ、庭にあるヤギ小屋やピザ窯では地域の方々との交流が生まれるなど、敷地内に人が集うスポットを点在させることで、建物と建物の間を緩やかにつなぎ、全体としての一体感を持たせている。「アンダンチ」とは仙台の方言で「あなたの家」の意。家のような暖かさを大切にしながら、建築からランドスケープ、サインにいたるまで、できる限り地元の素材を使用し、素材感の豊かさや遊び心を感じられるデザインを行った。
仕様
約3300平方メートル
どこで購入できるか、
どこで見られるか
〒984-0017 宮城県仙台市若林区なないろの里1-19-2
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
服部 滋樹近藤 ヒデノリ平林 奈緒美山出 淳也山崎 亮
評価コメント
開かれた環境作りに感銘を受けた。ここまで多世代交流を促すためのアクティビティの設計はプログラムとして用意されたのでは無く、課題に対するリサーチが優れていたのだと思う。豊富に組み込まれた大小の設備は常に活用されているイメージが湧く。そこにはあらゆる世代が交流するシーンが見えてくる。交流のためのプラットフォームとして人口減少を目の前にする私達にとって大きな希望となるのではないだろうか。
