受賞ギャラリー
2020
グッドデザイン賞
ニッパー
光造形サポート材用ニッパー
受賞対象の詳細
光造形方式の3Dプリンターで生成されるサポート材切除作業用の道具です。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 造形物やサポート材の間にも刃が入るように、先端部分の設計を調整しました。
- 作業中に視界を遮蔽することを防ぐため、柄を長くすると共にスプリングによる開き幅を調整しました。
- 柄の端部を持ちやすくするために平面を設け、研磨を施すことにより指が密着しやすくしました。
プロデューサー
株式会社マルト長谷川工作所 企画開発チーム 中村俊輔
ディレクター
株式会社マルト長谷川工作所 企画開発チーム 小川陽輔
デザイナー
株式会社マルト長谷川工作所 企画開発チーム 柳睦希、佐藤毅秀
発売予定
2020/11
価格
5,000円
販売地域
国内・海外共通仕様
背景
近年、急速に普及している3Dプリンター。手軽に立体物を造形できるようになりましたが、立体を積み上げることができない場合にそれを支持するために生成される「サポート材」の除去には手間と時間がかかっていました。なかでも繊細な作業が必要な光造形方式の3Dプリンターのサポート材除去に関わる道具は専用品が市場にまだ少なく、特に作業頻度の多いプロのユーザーからの要望を受けて開発を行いました。
経緯とその成果
既存のニッパーを光造形のサポート材除去に使用した際に生じる問題点は、以下のようなものでした。 1、「頭部」が大きく、狭い箇所に刃が入らないうえ、作業箇所が見えづらい。 2、柄が頭部と距離が近く、横に広がる形状であるためニッパーそのものや作業者の手が視界を遮ってしまう。 3、上記の理由から作業者は柄の端部をつまむように操作することが多いが、柄の形状が丸みを帯びているため持ちづらい。 これらの問題を解消すべく、頭部を小型化し、柄を長く開き幅を狭め、滑らないように平面的なデザインとしています。
仕様
寸法:全長122mm / 柄幅27mm/刃長8.5mm 重量:44g 材質:ステンレス鋼(SUS420J2)
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
朝倉 重徳重野 貴林 千晶村上 存
評価コメント
積層造形プロセス上で必要となる「サポート材」を造形後に除去する作業は、3Dプリンターのユーザー体験上の問題の一つである。本製品は、主に微細な形状、構造が造形可能な光造形を対象として、狭い箇所にも先端が入り、作業中に視界を遮らず、指先でも保持、操作ができるようにデザインされた、サポート材除去用のニッパーであり、現場のユーザーの具体的な問題、ニーズに的確に応える優れたデザインである点を評価した。
