受賞ギャラリー
2020
グッドデザイン賞
住宅
徳川山の家
受賞対象の詳細
かつて徳川家の山荘があった高台に建つ住宅。現在は市街化されたものの、この場所を形づくる丘陵や溜池は今なお存在しその頃のおおらかな風景を残しています。建築はその豊かな自然環境を享受できるよう外へ開放した構成とし、視界と光を制御する自然素材のスキンを纏うことで、居心地がよく風景に馴染むものになると考えました。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- 高台の眺望を活かす東西に開放させたプランとのびやかな架構
- 内・外の環境を制御し居住域をやさしく包む自然素材でつくられた外装
- 環境負荷低減とメンテナンス性に配慮した全周バルコニーと庇
デザイナー
川崎拓二+川崎律子 川崎建築設計

デザイナー
利用開始
2019/02/16
設置場所
愛知県名古屋市千種区徳川山町
背景
計画地の徳川山町は名古屋中心市街地から東へ6km程の高台にあります。この町とその周辺は風致地区に位置付けられ自然的景観の維持が図られており、緑と水の豊かな風景が継承されています。この地に建築するにあたり、古より守られつづけているこの自然環境に対してどのように佇み、これからの社会や家族の住環境としてどうあるべきか、プログラムの構築から素材やディテールの隅々までその思考が行きわたるようにしました。
経緯とその成果
建物は豊かな自然を享受し周辺環境に親和し、心地よく開放感のある場所となることを目指しました。高台の風景を感じれるよう2階にリビング・ダイニング・キッチン・テラスの活動空間を配置し、風景が広がる東西へ大きく開放させる構成としました。外装は漆喰の壁と葦・竹でつくられたスキンで覆い外部環境と馴染むようにしています。スキンは強い日射と風を穏やかにし隣戸の視線を遮ります。建物全周囲に配置した庇は環境負荷低減と外壁保護として、バルコニーは外装のメンテンス・サービススペースとして機能します。2階のリビング・ダイニングは外周の高い床から一段落としこむことで外との一体感と包まれ感が生まれるようにしています。1階は機能的にレイアウトした生活空間と、2階へ導く強い方向性をもったアプローチ空間で構成されています。建物の足元は周囲に同化させ庭木で覆うことで山荘があたかも丘の上に浮いて見えるように計画しました。
仕様
住宅/2階建/ 敷地面積:198.45㎡/建築面積:59.34㎡/延床面積:112.62㎡/木造軸組工法
どこで購入できるか、
どこで見られるか
愛知県名古屋市千種区徳川山町 川崎建築設計
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
手塚 由比小見 康夫千葉 学山﨑 健太郎
評価コメント
気持ちの良い住宅である。高台に建つこの住宅は寝室・書斎・サニタリー以外の機能を全て2階に設け、そこからは周囲の風景が一望できるが、その「抜け」の感覚が内外観に素直に表現されている。軒先からバルコニーの鼻先にかけて吊り下げられた簾は、見事に建築と一体化し、デザイン上の重要な役割を果たしている。その他、屋根の構造をストレートに表し、木と紙と石の自然素材を組み合わせたシンプルなインテリアも、気持ちの良さに大きく貢献している。
