受賞ギャラリー
2024
グッドデザイン賞
保育園
まつやま保育園
受賞対象の詳細
茨城県守谷市の住宅街にある、地域に根差した保育園の建て替えである。旧園舎の想いを継承しながら、増員に対応する新たな建物は、木造2階建て、準耐火構造とし、子どもたちが安全に楽しくのびのびと毎日を過ごすための環境を実現した、子どもも大人も自然と人が集まる、カフェ・レストランのある保育園に生まれ変わった。
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デザインのポイント
- 木造準耐火要求での木の現しの柱や地域県産材の採用、園児とワークショップの開催で木育の促進になった。
- 旧園舎で育まれてきた園庭の築山やツリーハウス、既存樹の保存や移植、看板の再利用で想いの継承に貢献した
- エントランスに隣接してカフェ・レストランを設置し、地域にもひらかれた保育園として設計した
プロデューサー
社会福祉法人山ゆり会 理事長 松山圭一郎
ディレクター
社会福祉法人山ゆり会 創設者 松山美法、松山岩夫
デザイナー
株式会社アルコデザインスタジオ 代表取締役 鎌田智州、シニアデザイナー 福田珠名

詳細情報
利用開始
2024/02/05
設置場所
茨城県守谷市
背景
老朽化した旧園舎は、想いのたくさん詰まった園舎だったが、増築を繰り返した建物での運営は今後の増員に対応するには厳しい状態だった。建て替えにあたり、旧園舎での改善点に留まらず、待機児童解消(量)から少子化問題(質)が問われてきている中で、より良い保育のできる環境を整える必要があった。創設時からの想いを継承しながら、より安全な保育の場を目指し、子どもたちが毎日楽しく過ごし、保育士が快適に働ける環境づくりに配慮して設計した。また、食の大切さを育んできた園にとっては、食を通して地域へひらく場づくりは自然と取り組むことのできるものであり、計画の大きなポイントであった。さらに、児童福祉法による建物の準耐火要求を木造建築物として実現するとともに、地域県産材の積極的な採用を自治体及び地元の協力業者とともに、主要構造部材だけでなく木のぬくもりを大切な意匠と捉え、木の現しを実現することに取り組んだ。
経緯とその成果
木造の良さを享受できる木造準耐火建築物の保育園を実現するために、木の現しの柱や木板天井を採用することで、木の温かみを感じることができるように配慮した。使用した木材は茨城県産材の杉や桧とし、主要構造材のすべてが県産材とし、燃え代設計による大径JAS材の柱の認定や不燃加工した木板を天井に採用することができた。また、園児と木育ワークショップを行い、新しい園舎が木で造られることを学び、様々な体験を通して木と触れ合うことができた。また、創設時から育まれてきた築山やツリーハウス、卒園児たちで植樹した既存樹の保存、移植したシンボルツリーや想いの詰まった看板を継承し、新たな園舎に取り込んだ。そして、エントランスには、厳選した生豆から焙煎したコーヒーが飲めるカフェやこだわりの食材を使った給食が食べれるレストランを設置し、園児だけでなく、未通園児や地域の人たちも立ち寄ることができる空間を実現した。
仕様
敷地面積:2,396.74㎡、建築面積:835.84㎡、延床面積:1,399.94㎡、構造:木造・在来工法、2階
どこで購入できるか、
どこで見られるか
茨城県守谷市本町4210
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
評価コメント
子どもたちの笑顔や歓声はもちろん、事業主と設計者との真摯かつ優しい対話が聞こえて来るような建築に感じる。園長をはじめ保育士らの熱意やこだわりに、設計者が応えることは並々ならぬ時間だったと想像する。思い出と愛着が染み込んだ園舎を建て替えることは苦渋の決断でもあったと思うが、保育の未来を見据えた挑戦だったのだろう。給食が食べられるレストラン、保護者や地域の人たちが集う空間のために、木造準耐火建築物に挑戦されている。建築のみならず、人々の想いとコミュニケーションを含めて、高い評価が与えられるべき保育園である。
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