受賞ギャラリー
2024
グッドデザイン賞
木造住宅用制震ダンパー
トーエイセーフティーダンパー
受賞対象の詳細
木造住宅において、近年多様な制振部材が流通している。トーエイセーフティーダンパーは、住宅・制振ゴム・金物、それぞれを得意とする企業の技術と経験を集結させて開発。年間約5,000棟の販売実績に標準搭載することで木造住宅を高耐久化し、日本の木造住宅をフロー型からストック型へと変革していく契機となることを意図した。
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デザインのポイント
- ダンパーとブレースを分離させた構造とすることで、軽量化、施工性向上、工期短縮、低コストを実現した。
- “>”地震の力を弱め、“<”構造は強く、といった感覚的にわかりやすい形状をデザインモチーフとした。
- ブレース色にはディープブルーを採用。構造見学会においても視認しやすく、強さ・信頼のイメージを提供。
プロデューサー
株式会社東栄住宅 松浦 健
ディレクター
千葉工業大学 金子尚志 + 株式会社東栄住宅 市島 剛司
デザイナー
株式会社東栄住宅 小俣 剛優

詳細情報
発売
2023/05
価格
オープンプライス (建物販売価格に含まれます。)
設置場所
弊社が供給する戸建住宅(2F建以下)が対象
背景
近年、各地で大地震が多発しており、住宅の安全性・耐久性への考え方の変化が必要になっている。長周期や繰り返し地震、地震活動が活発でない地域での被災、これら我々の想定を超える地震に対して、より高い安全性と、多くの住まい手が長く安心して暮らせる住まいを求めているとの思いから、これからの時代に相応しい制震ダンパーの開発を目指した。制震装置を搭載する際に必要な要素を低減するため、ダンパーとブレースを分離させた構造とすることで、軽量化、施工性向上、工期短縮、低コストを実現。特に軽量化は、建物への荷重負担を軽減するだけでなく、一人でも容易に設置できる点は、大工職人が減少する現代における対策として考慮した。年間約5,000棟の木造住宅を供給し、その全棟で耐震等級3を取得、長期優良住宅を標準採用、さらに制震ダンパーの設置により、住まいのレジリエンスをより高め、安心・安全な住宅を供給することを目指した。
経緯とその成果
「普及のための制震装置」という視点から開発を進めた。ダンパーとブレースを分離させた構造とするとともに、特に制震装置の要となるダンパーに採用する高減衰ゴムについては、以下の特性を持たせた。①繰り返し発生する小規模から大規模の幅広い地震に対応。②ゴムの劣化を限りなく抑えたことで、設置後60年間は部品交換や点検などのメンテナンスが不要。③振動エネルギーを熱エネルギーに変換することで地震の揺れを効率的に吸収。性能については、公的評価機関における評定書を取得し、エネルギー吸収能力を確認している。また実大振動台実験において、木造建物にダンパーを設置し、熊本地震(震度7相当)を6回の加振を実施したところ、揺れ幅を最大80%低減し、繰り返しの振動に耐え、倒壊しないことを確認した。耐震等級3の建物の安全性をさらに高め、繰り返し起きる大地震においても、居住者の安全と住まいを守ることができると考えた。
仕様
高さ2480~2735mm(横架材間内法寸法)、幅795・805mm(柱間内法寸法)、奥行き105mm 重量:約11kg 材質:高減衰ゴム、鋼材等
どこで購入できるか、
どこで見られるか
北海道から九州まで当社分譲住宅が対象(沖縄県を除く)
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
評価コメント
多くの地震の発生が想定される日本において、住宅の構造の強化と同時に、施工現場の対応も考えなければならない。ダンパーとブレースを分離させた構造とすることでの施工性の向上、職人が一人でできるよう軽量化、工期短縮などの見えない部分での意味も大きい。低コストを実現している点も含めて高く評価できる。また、戸建分譲住宅業界における制震技術の普及に対する貢献にも期待したい。
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