受賞ギャラリー
2024
グッドデザイン賞
スツール
ワーナー/シューメーカースツール
受賞対象の詳細
シューメーカースツールの起源は、15世紀デンマークの酪農家が牛の乳絞りに使っていた3本脚の椅子。その後17世紀に入って靴職人たちが自分のお尻のカタチに合わせて木材を削り、現在のカタチの原型となりました。現行のデザインでの製品化は1990年より、現在もハンドメイドとデンマーク製を貫いています。
※ 自動翻訳サービスDeepLを利用して生成されたテキストの場合があります
デザインのポイント
- ルーツは15世紀、凹凸のある床面にもガタつかず固定できるようにした3本脚のスツール。
- 実用の中で、日々長時間の着座と快適性を求めて生まれたアノニマスデザイン。
- 酪農家や靴職人が場所を変える際も持ち運びやすいこと。
プロデューサー
ワーナー社 代表 ラース・ワーナー
詳細情報
日本国内(アクタス)での発売
1991/01/01
価格
29,700円 〜 47,300円 (表示価格は日本国内(アクタス)税込流通価格)
背景
お尻のカタチをしたシューメーカースツールのユニークなフォルムが誕生した背景には、デンマークの民俗史を遡ることになります。 この製品の特徴のひとつである3本の脚の起源は、15世紀に酪農家が牛の乳絞りに使っていた椅子です。当時、レンガ敷きや石畳など床が平らではない牛舎や作業場が多く、4本脚ではガタつき、3本脚だとしっかりと床面に固定されることから、3本脚の意匠が必然的に残りました。 このスツールは、その後17世紀に入ってから靴職人たちが使うようになり、それまで平らだった座面は、お尻のカタチにかわりました。長時間座ったままの作業を強いられる靴職人が、座り心地を良くするために自分のお尻のカタチにあわせて削ったからです。長い歴史の中で、現在の製品の原型が生まれ、1990年にデンマークのワーナー社が現行のフォルムを完成させ、SHOEMAKER STOOL(靴職人の椅子)と呼ばれるようになりました。
経緯とその成果
名もなき職人たちの手により時代とともに進化したアノニマスなスツールを、デンマークの日常の営みから生まれた椅子として1970年代に製品化したのは、スティーン・ワーナーで、今でもたった一人でこの椅子を作り続けるラース・ワーナー氏の父親です。 シューメーカースツールは、デンマークの家具製造業の多くが不振に陥った1980年頃に、一旦製造を休止します。その後1990年に、ミニマルで柔らかなフォルム持った現在のシューメーカースツールのカタチを完成させ製造を再開しました。現在は、ダイニングテーブル用からバースツールまでの高さを含む4種の大人用と、小さな子どものための縮小サイズを加えた計5種のバリエーションを展開し、居住空間からパブリックな商業空間まで様々な場所で採用されています。
仕様
サイズ:幅53 ×奥行40× 高さ49× 座面高46cm 、材質:ビーチ材、原産国:デンマーク(代表的な製品を記載)
どこで購入できるか、
どこで見られるか
-
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
評価コメント
フォークやパスタの形状と同じで、長い歴史の中で生まれた原型を元に現在の形を完成させ、今もハンドメイドでその形をも守りながら作り続けている製造者の姿勢と、そのデザインを伝え続ける販売企業の関係性を高く評価した。だれもが一度は目にしたことがある個性的な形状だが、詳細を見るととても理にかなった構造で、歴史の中から必然的に生まれてきたことを窺い知ることができる。これからも作り続けて欲しい、時代を代表するデザインである。
